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2011年07月22日

「人口減少社会の衝撃!!これからの働き方はどう変わる?」12~労働法の狙いと社会背景4~労働者の定義って?

労働法について扱っているこのシリーズですが、今回から数回にわたって、労働法の中身 について突っ込んで見ていくことにします。まず今回は、労働法で対象となる人(=労働者)が、どのような人達なのかを調べることにします。
突然ですがここで問題です。
以下のうち、労働基準法の対象となる「労働者」に該当する人が3人います。誰でしょう? 🙄

A.新聞配達員
B.大工
C.学校の教員
D.電気料金集金員
E.NHK受信料集金員

答えは・・・
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労働者に該当するのは以下の3名です
 A.新聞配達員
 C.学校の教員
 D.電気料金集金員
で、その他は、労働者に該当しない人と、条件により扱いが変わる人に分かれます。
◇労働者に該当しない人
 E.NHK受信料集金員
◇条件により扱いが変わる人
 B.大工
    ・請負契約の場合は労働者に該当しない。
    ・雇傭契約により、使用従属関係下にある大工は労働者となる。
 電気料金集金員は労働者で、NHK受信料集金員は労働者ではない??
なんで同じ集金員なのに、NHKだけ労働者ではないの? 🙄
その理由は、「NHK集金員は、業務の遂行について裁量権があり、使用従属関係は認められないから」だそうです。なんともおかしな基準ですね
それでは、この「労働者」となるか否かの判断基準について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

1.「労働者」とは
(1)労働法を理解する上で基本となる3用語
 まずは、労働法を理解するために最低限必要となる3つ基本用語(①使用者、②労働者、③賃金)を整理することにします。
①使用者:会社、役員、現場の管理職等
「労働者を使う側の人または組織」のことで、法律的には以下の3種類があります。
 ・会社:会社(組織)そのものが使用者です。個人事業の場合は事業主が該当します。
 ・役員:取締役などの役員も使用者となります。
 ・現場の管理職:現場の管理職は会社の意を受けて部下を使うので、使用者に分類されます。
②労働者:正社員、アルバイト、パート、契約社員等
 「使われる側の人」のことで、正社員はもちろん、アルバイト・パート、契約社員、日雇労働者など使用者からの命令で働きその対価として賃金を受ける人は全て「労働者」となります。就業形態による違いはありません。
ちなみに、労働基準法では「労働者」を、以下のように定義しています。(労働法第9条)

この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業または事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

③賃金:労働の対償として使用者が労働者に支払うもの
使用者から命令を受けた労働者が、労働の対価として、使用者から受け取るものをいいます。通常は金銭ですが、現物で支払われることもあります。
  
(2)労働者か否かの判断基準1
 労働法の対象は「労働者」となるため、労働者か否かの判断が重要になります。しかし、労働法の定義だけでは判断しにくいため、実際には、まず、民法で定められた「雇傭契約」が締結されているか否かで判断されます。また、民法で定める契約には、この「雇傭契約」以外に、請負、委任という契約体系も定められているため、「雇傭」と「請負」「委任」の区別が重要となります。その違いを見ていきましょう。

・雇傭(民法第623条)
雇傭は当事者の一方が相手方に対して労務に服することを約し、相手方がこれにその報酬を与えることを約するに因りその効力を生ず。
・請負(民法第632条)
請負は当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してこれに報酬を与えることを約するに因りてその効力を生ず。
・委任(民法第643条)
委任は当事者の一方が法律行為を為すことを相手方に委託し、相手方がこれを承諾するに因りてその効力を生ず。

法文だけではわかりにくいので、三者の概念上の違いを整理します。

  雇傭 委任 請負
契約目的 労務の給付 労務の給付 仕事の完成
裁量権 使用者 労務供給者 労務供給者

 
①雇傭契約:一方が指揮・命令に従って仕事をすることを約束し、相手がその労務について報酬(賃金)を支払うことを約束することによって成立する契約。(例:サラリーマン)
②請負契約:請負人が注文者の指揮・命令を受けることなく自らの判断で仕事をする契約。結果を出さなければ報酬をもらうことができず、仕事を完成させて初めて報酬を請求することができる。(例:大工が家を建てる場合、クリーニング店が洗濯をする場合)
③委任契約:依頼された事務を処理することが目的。必ずしも結果を出すことは求められていないので、結果を出さなくても報酬を受けることができる。(例:弁護士に弁護を依頼する場合、医者に診察してもらう場合)
「請負契約」「委任契約」では、請負人・受任者は、注文者や委託者から独立して働くため、どんな働き方をするか自らの判断で決定し、注文者等から具体的指示を受けることはありません。それに対し「雇傭契約」では、どんな働き方をするか、使用者の具体的指示を受けます。
このように「雇傭」は、「請負」「委任」とは異なり、使用者が労働力を支配する、極端に言えば「使用者のいいなり」となって働く契約と言えます。 
(3)労働者か否かの判断基準2
実際の場面では、上記契約体系だけで労働者否かの判断が出来ない場面が多々あります。この場合、契約体系のいかんに関わらず、以下の基準により総合的に判断されることになります。
①使用される=指揮監督下の労働をしているか否か
・仕事の依頼,業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無 業務遂行上の指揮監督の有無
・業務の内容及び遂行方法に対する指揮命令の有無
・その他通常予定されている業務以外の業務の有無など
・拘束性の有無
・代替性の有無
②報酬=賃金を受け取って労働をしているか否か
・労働の結果による較差が小さいこと
・残業代の支払があること
・その他賃金性があるかどうか
③その他「労働者性」の判断を補強する要素
・事業者性の有無
・機械・器具の負担関係
・報酬の額
④その他事業者との性格を補完する要素
・専属性の程度
・他社業務への従事の制限の有無
・固定給など報酬の生活保障的性格の有無
・その他使用者が労働者と認識していることを推認させる事情
(詳しくは、http://homepage3.nifty.com/54321/roudousyatowa.html
2.まとめ
以上を簡単にまとめると、労働法では
①使用者にお金で雇われる人
②使用者のいいなりで働き、自らの裁量を持たない人
③使用者が決めたとおりの働き方をする人
が、「労働者」として扱われるようです。
こんな人たちばかりがいる会社って想像できますか?
このように労働法では、「使用者から働き手を守る」という視点からのみ「労働者」を定義しています。たしかに、定型化された単純労働による効率化が勝敗を決する物的生産の時代・大量生産の時代では、働き手を酷使する使用者も多く、働き手の保護が重要だったのかもしれません。
しかし、今や意識生産の時代です。企業・会社の第一課題は、人々の物的欠乏を満たすことではなく、人々の共認充足を満たすことに変化しました。はっきり言って、働き手を酷使したり、働き手の自主性を認めないような会社では、今後生き残っていくことは不可能です。
今となっては、この労働法は、使用者と働き手の分断を助長させるだけの法制度となっているのが現実です。そもそも、法の根幹をなす「定義 」の部分が時代遅れとなっているということは、芋づる式に、全てが実情と合わなくなっているのではないでしょうか。(だから、おかしな解釈をして無理やり理屈づけないと成り立たないということになっているのだと思われます)

                               
その中でも、権利を主張することを是とする、労働関連法を貫く価値観は最悪だ。これ収束してしまうと、会社のことなどどうでもよく、自分の金だけが目的で、そのためならありとあらゆる権利を主張するという人間が増える。そして、経営者も雇用者も仕事をすることでの充足から遠ざかっていく。
 何かおかしい!現代は共認充足を皆が求めている時代。だから、仕事にやりがい(役割充足)をもとめている。しかし、この旧い法に従うと、ますますやりがいから遠ざかる。そして、その中核である権利主張をますます強化する法改正になっている。
 これは全く時代に逆行している。本当の充足は、主張ではなく共認からしかえられないという視点で、働く意味を考え直す時代に入ったのだ。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=210462より)
                               

私権から共認へと変化した人々の意識に合わせ、労働法も見直す必要があると改めて感じます。
今回はここまでです。
次回は、労働法が足かせとなる理由 について、更に深く考えていくことにします。

 

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