2007年08月18日
アメリカ発の労働改悪は日本企業の強みを破壊する
■図: 労働時間改革が困難な本当の理由

最近、「労働生産性」という言葉をよく耳にします。
当ブログでも のり
さんが『「労働生産性、アメリカの7割」どこが問題なのーー??』という記事を書いてます。
今日は、のり
さんからの
> 「労働生産性」を上げることがそんなに重要なことなのか ?
という問題提起に答えてみたいと思います。
先ずは、最近のニュースから
■経済白書:最優先課題は労働生産性の向上 07年度(2007年8月7日)
少子高齢化の進展で労働力人口が減少する中、日本経済が今後も成長を続けていくためには、国の経済活動の効率性を示す指標である「労働生産性」の向上が「必須条件となる」と指摘。雇用のあり方などとのバランスを取りながら、企業、産業、マクロの各レベルで生産性向上を目指す必要性を訴えた。
■労働生産性とは?
労働者1人当たりでどれだけの付加価値を生み出したかを示す指標。国ごとの数値は、付加価値の総額である国内総生産(GDP)を労働者数で割って算出できる。社会経済生産性本部によると、日本は04年で5万9651ドルと、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中19位。米国(8万3129ドル)の7割程度の水準にとどまっている。
■ 「労働生産性の向上」はアメリカと経済界の要求
米国の年次改革要望書の姉妹レポートのような、「二〇〇六年投資イニシアチブ協議と第五回「規制改革および競争政策イニシアチブ」協議の報告書」があります。この報告書の中に日本の構造改革の一環としての「労働法制の改革」の項目があり、ホワイトカラーの生産性向上などを要求しています。日本経団連も同様の要望を政府に行っています。
アメリカの執拗な要求は、金融→法律→医療と続き、とうとう労働に及んでいます。
いよいよ、アメリカによる日本価値の収奪は最終段階を迎えています。
【参考サイト】
ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報:「労働法制の研究が重要である。」
2007年度日本経団連規制改革要望
■労働時間改革を阻む「三つの敵」=「日本企業の強み」
プレジレント・オンラインの記事より
ここで、冒頭の図解:「労働時間改革が困難な本当の理由」を見てください。
労働改革=生産性の向上を図るには、日本企業の強みがジレンマとなっています。
具体的には、
1.顧客重視のあり方
例えば、お客さんからの要望で、本人が時間外だと思っていた仕事をしなくてはならないケースは多い。特に日本の企業はお客さま志向をその基本としている企業が多く、顧客の要望とあれば、何でも聞いてしまう傾向がある。
2.職務の設計
一般的にわが国では、一人ひとりの仕事に含まれる課題や内容を明確に定義せず、職務内容や仕事の順番を、働き手が臨機応変に決定するという特徴をもっていると言われる。米国型の職務記述、職務評価の反対に位置する考え方である。
3.日本人の労働倫理
きりのいい所まで仕事を続けたい。仲間のために最後まで頑張りたい。一応の成果がでるまでもう少し、という場合に、それをやめて、労働時間を規制するのは、自分のみである。
これらの三つの「日本企業の強み」は、相手発の仕事姿勢、チームでの仕事、柔軟な役割分担など、どれもが日本人の集団性や勤勉さに根ざした、「誇るべき仕事観」です。
■アメリカ発の労働改悪
アメリカは、過去からの日本人研究の成果から日本人の強みを知った上で、
これを破壊するための構造改革(改悪)を強いているのです。
このようにアメリカ発の労働改革は欺瞞であり、日本人の劣化促進策に他なりません。
はっしー
でした
- by hassy at 17:25


コメント
当、アメリカからの指摘のブログ興味深く、読ませて頂ました。確かに、アメリカの経営能力(特に金融関係)では、優れている点が確かにあり、学ぶ点も多々あると思います。当ブログで日本の企業の強み3点は、特に製造業に当てはまると思います。 私も日本のある企業(製造業)からアメリカに派遣され、アメリカで腰を落ち着けて現地採用されている人間なので、よく分かります。逆に日本企業の強みは、アメリカ企業の弱みでもあります。単一民族国家と他民族国家の違いだと極論を言えばなります。そこのところを、よく考えて、アメリカの要求に対応していかないと、日本の製造業が衰退していってしまいます。
ZORI from NJ
Zori さん、コメントありがとうございます。
最近のリチウム電池の不具合など、メード・イン・ジャパンの信頼が揺らいでいます。日本企業の組織体制も大きな転換点を迎えていると思います。
>日本企業の強みは、アメリカ企業の弱み
同感です。企業が日本の為の活力再生事業を創出していかなければ本当に没落してしまう危機的状況だと思います。私達は、共同体経営がその突破口になると考えています。
確かに、金融関係では生産性が極端に高いです。彼らに勝つ為には、彼らの金融理論体系の構造原理を知った上で、先手を打っていく必要があると思います。
私達は、そのような視点で「なんでや劇場」で追求をしています。論点は「るいネット」の投稿で公開していますので、是非ご覧になってください。
また、コメントをお待ちしています。
「るいネット」 ⇒ http://www.rui.jp